仙台市博物館での講座風景

平成17年度公開講座 「アインシュタイン探訪」

  4月14日から19日に開催された「アインシュタインLOVE」展にあわせて、総合学術博物館2005年度連続講座「アインシュタイン探訪」を開催しました。今回は3回の連続講座として、3名の方にご講演をしていただきました。

第1回 「アインシュタインと東北月沈原(ゲッチンゲン)」
大阪府立大学名誉教授 金子 務

金子 務 名誉教授 アインシュタインは大正11年(1922)秋に来日、43日間、日本各地で旋風を巻き起こしました。なかでも12月初旬博士は仙台に2泊して講演や歓迎会に臨み、また、松島や瑞巌寺の散策を楽しんだことが記録されています。講演ではそれと合わせて、日本のゲッチンゲン大学といわれた東北大学や二高の関係者たち、石原 純、土井晩翠、田辺元、本多光太郎、愛知敬一、鷹部屋福平、鈴木清一などが博士との交流に大きく貢献したことについて、新出資料を交えてお話しいただきました。

第2回「「アインシュタイン博士と平和問題
-原爆開発関与説を中心に」
東北大学名誉教授 井原 聰

井原 聰 名誉教授 第二次大戦中アメリカのルーズベルト大統領にアインシュタインらが原爆開発を進言したことが原爆開発の発端となったといわれていますが、アメリカの原爆開発計画(マンハッタン計画)と具体的にどのように関わったのかについて論じられることはありません。この講演ではマンハッタン計画のあまり知られていない側面を紹介しながら、第二次大戦後のアメリカの核戦略とアインシュタインの平和問題に対する問題意識についてご講演いただきました。

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第3回 「アインシュタインと宇宙の謎」
東北大学理学研究科教授 二間瀬敏史

二間瀬 敏史 教授  現在、宇宙は膨張しています。しかもその膨張の速度は誰かがアクセルを踏んだかのように加速しています。この加速度をもたらす原因は、ダークエネルギーと呼ばれていますが、この存在に始めて気付いたのはアインシュタインでした。しかしそのときアインシュタインは宇宙が膨張していることを知りませんでした。そして宇宙が膨張していることを知ると、宇宙項(ダークエネルギー)を考えたことを「人生最大の誤り」と嘆きました。なぜアインシュタインはダークエネルギーを考える必要があったか。またなぜそのダークエネルギーが蘇ったのか。このダークエネルギーの話題を中心に現在の宇宙論についてお話しいただきました。

 

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