平成20年度公開講座 2009年2月21日から3月14日までの毎週土曜日、自然史標本館において「先史学フロンティアミュージアム・トーク2009」を開催しました。「先史学フロンティア」の展示にともない、総合学術博物館の本年度公開講座として開催されたものです。 第1回 「サハリン調査、その後の70年」 日本考古学・古代史研究に多くの業績を残した、本学考古学研究室初代教授の伊東信雄は、1933~34年に樺太(サハリン)に渡り、考古学的調査をおこないました。阿子島教授も2000~01年にサハリンに出かけ、サハリン大学A.A. ワシレフスキー教授(2002年本学総合学術博物館客員教授)の案内で、伊東が当時踏査された遺跡を廻りました。 第2回 「山内清男博士が編んだ縄文文化の時間」 山内清男は、遺物の分析から当時の人の営為をさぐるという行為を科学的に貫徹した研究者です。講演では、山内が松本彦七郎の土器文様の分類や層位学的方法を積極的に導入し、全国に散在する多様な土器群の様相に対してその秩序を与えることで、縄文文化研究の道筋を作っていったことをわかりやすく話されました。とくに宮城県大木囲貝塚、岩手県大洞貝塚の発掘でえられた資料を使用して東北地方の縄文土器編年をおこなったこと、その時間的尺度、研究方法、概念、枠組みがどのようになされたかなどを説明し、また、本学の喜田貞吉とのミネルヴァ論争にみられる、当時の日本考古学における常識や体質を紹介して、山内がその後の日本考古学に縄文土器研究のあり方や指針をどのように示したかを説明しました。 このページのTOPへ 第3回 「骨に語らせるということ」 大正から昭和初期にかけての約20年間(1914~1938年)、東北帝国大学には気鋭の人類学・先史学研究者が2名在籍していました。医科大学解剖学教室の長谷部言人と、理科大学地質学古生物学教室の松本彦七郎です。講演ではこの二人の活躍ぶりにスポットをあてて、当時の研究の流れを解説しました。 第4回 「旧石器時代を切り拓く 芹沢長介は1949年に岩宿で発掘調査をおこない、日本に旧石器時代が存在することを証明しました。以降、芹沢はつぎの四つのテーマをかかげて研究をすすめました。①旧石器時代の編年を探る研究、②縄文文化の始源を探る研究、③日本列島の最古の人類遺跡を探る研究、④石器の機能を探る研究です。 このページのTOPへ |
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