「葉っぱのかたちの今昔-進化はかたちにあらわれる-」 平成16年度子どもゆめ基金活動(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターより助成)として行われた、かたちのふしぎ研究グループ主催の「葉っぱのかたちの今昔 -進化はかたちにあらわれる-」(2004年8月3日(火)~4日(水)の2日間)の活動を後援しました。 この活動では、主として植物の葉の形態に着目して、絶滅した化石種と現存する子孫種との形態比較や葉のつき方に見られる規則性を見出すことで、植物の進化における「かたち」の変化とその不思議さを体験しました。2日間の体験活動では、第1日目に野外での植物の化石採集を行い、第2日目には採集した化石のクリーニングや現生種との比較、植物の葉のつき方にみられる規則性などについての室内実習を行いました。天候にも恵まれ、仙台市内を主として小学生~高校生の20名が参加して、夏休みの企画を楽しみました。 第1日目は、宮城県七ヶ宿町周辺の河畔に植物化石採集に出かけました。蔵王山麓を流れる川は水もきれいで、化石採集地点までの川歩きでも歓声をあげながら、日頃味わうことが少なくなった自然の感触を満喫している様子でした。しばらく歩いて河畔にある露頭に到着すると、慣れない手つきとはいえ、思い思いの化石ハンターぶりを発揮していました。はじめのうちは、意外にもろい地層に戸惑いながらうまく採集できなかった子どもたちも、講師方に手伝ってもらいながらしだいにうまく採集できるようになり、帰るころには各々の袋いっぱいにたくさんの化石を採集できました。これを理学部自然史標本館に持ち帰り、第2日目の室内実習での教材としました。 第2日目は、1日目に各人が採集した植物化石のクリーニングに挑戦です。少しずつていねいに土をとりのぞいていくと化石の全貌があらわれ、思わぬ大物の化石に満足する様子が印象的 でした。化石の葉っぱの形を記録するためにスケッチをし、大きさや形態の特徴をくわしく観察しました。また、採集した化石を標本として保管整理するための標本箱と標本ラベルの作成・記録の方法についても学びました。こうしてでき上がった化石標本と、現生の子孫種との形態を比較して、進化の過程でどのように植物の形が変化してきたのかについても調べ、約1500万年前へのタイムトリップです。これまで漠然と見ていた身の回りの植物の進化について、意外な情報が得られることにあらためて驚いている様子でした。 2日間の実習を通じて、日常では漠然と見過ごす植物の形の不思議さを体験することができ、自然のおもしろさや不思議さへの理解が少しだけ深まった様子です。 このページのTOPへ |
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