「鉱物にはなぜかたちがあるのだろう」 平成17年度子どもゆめ基金活動(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターより助成)として行われた、かたちのふしぎ研究グループ主催の「鉱物にはなぜかたちがあるのだろう」(2005年8 月3日(水)~4日(木)の2日間)の活動を後援しました。 今回は鉱物の「かたち」を話題の中心にして、鉱物の種類によるかたちのちがいや、同じ鉱物でのかたちの変化、そして、割れた鉱物のかたちなどについての不思議さを体験しました。2日間の体験活動では、第1日目に野外での鉱物採集を行い、第2日目には採集した鉱物を種類分けして、標本箱を作成、また鉱物の割れ方についての室内実習を行いました。おもに仙台市内の小学生~中学生の30名が参加して、夏休みの企画を楽しみました。 1日目はバスで岩手県北上市にある鉱山跡に鉱物採集に向かいました。最近は鉱山の廃鉱で、鉱物を採集できる場所も限られてきています。この鉱山もずいぶん前に閉山となったのですが、まだまだ色々な鉱物がさがせば見つかります。昼食もそこそこに、まずは貯鉱場の跡地に向かい、目を皿のようにしてさがすと、赤鉄鉱とよばれる酸化鉄の鉱物や、水晶、方解石などを採集することができました。水晶は小さいながらも六角柱状のきれいなかたちをしたものも見つかりました。そのあと、茂みをかきわけて山道を下り、川を渡り、坑道入り口下のズリ場に向かいました。水量はあまりありませんでしたが、丸いれきがゴロゴロ転がっている川を渡るのは少し大変だったようです。このズリ場は何回も採集会が開かれていて、いい標本はなかなか見つからないのですが、だれかが掘り返した後だったのか、黄金色の黄鉄鉱とよばれる硫化鉄の鉱物をたくさん拾うことができました。黄鉄鉱はサイコロのような六面体のものや、八面体、またはサッカーボールのようなものまで、いろいろなかたちの結晶がありました。いい標本が採れた、さあもっと探そうというところで残念ながら時間がきてしまいました。帰るころにはポツポツと雨が降りはじめましたが、どうにか天気も子供たちに味方してくれました。 2日目は採取した鉱物に名前をつける作業です。鉱物の色や形をたよりに、ひとつひとつに名前をつけ、ラベルを作成します。また、標本の大きさに合わせて標本箱をつくりました。標本の整理が一段落したところで、モンゴル産の岩塩と南米産の方解石をつかって鉱物がどのように割れるかを体験しました。鉱物は、ハンマーと釘を使ってうまく割ってやると、鉱物ごとにあるそろったかたちにきれいに割れます。これを劈開(へきかい)といいます。そして、岩塩はサイコロのような立方体に、方解石は直方体が斜めにつぶれたかたちに割れることを、破片の形から確かめました。また、東北大学理学研究科助手の栗林貴弘先生に鉱物がなぜきれいに劈開で割れるかを講義していただきました。そのあと、様々な鉱物が配布され、各自、標本ケースを完成させてもち帰りました。 鉱物は普段の生活ではあまりなじみのないものですが。自然の営みにおいて、きれいな鉱物の結晶ができることを子供たちに体験していただけたことと思います。 このページのTOPへ |
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