メモをとる来館者

館長あいさつ

 東北大学は、「研究第一主義」の理念のもとに、多くの新発見、発明の歴史をもち、それらの研究の基礎となり成果となった約240万点をこえる資料標本・機器類の莫大な蓄積をもっています。これらは常に、研究者、一般市民を問わず、それぞれの見方や目的にあわせて新たな価値を見いだせる共有の知的財産といえます。総合学術博物館は、これら本学の貴重な知的財産を集中的に収蔵・管理し、データベース化をすすめ、研究者・学生に公開し、分野をこえて広く研究・教育の資源として利用できるようにしています。学内には、生物・化石完模式標本、国指定重要文化財、科学技術上の鍵ともなる各種装置・機器類など、量的・質的に欧米の大学に劣らない内容を誇る学術資源が存在します。

現在、自然史や地理等の部門についての学術資料標本類は、博物館建物が建設されるまで、理学部自然史標本館と共用して展示がおこなわれています。歴代の館長やスタッフは、建物がなくても、博物館活動を立ち上げ、総合学術博物館「学術コレクション」(金属、東洋・日本美術史、考古、古生物、鉱物、植物の6分野)の資料標本類データベースを作成し、Webで公開をすすめてきました。さらに、東北大学が所蔵する貴重な学術コレクションを広く紹介する企画展「東北大学総合学術博物館のすべて」シリーズを開催し、年1回の博物館研究紀要(Bulletin of the Tohoku University Museum)、年4回のニュースレター「Omnividens」の刊行をおこない、研究成果の公開と普及につとめてきました。

 2006年4月には、学内の共同利用施設として、総合学術博物館、史料館、植物園が統合され、情報公開や多分野研究支援を担う中核組織として「東北大学学術資源研究公開センター」が設立されました。センターは3業務組織をまとめることによって大学の文化遺産を広く社会全般に共有化するための高い事業として大いに期待されています。本学がかかげる「本学と地域社会との連携を図り地域教育・文化への貢献を果たす」ことにまさしく対応する学内の共同利用施設といえます。

  総合学術博物館は、地域に開かれた大学の、情報の発信ステーション、普及公開のインターフェイス、そして学びの空間として、学内外の人々が集う憩いの場を提供します。常設展示のリニューアルも徐々におこなっている総合学術博物館をぜひお訪ねください。

 

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