黒鉱出生の地 企画展「「まっくろ黒鉱 ー驚きに満ちた鉱石ー」」 東北大学総合学術博物館のすべてⅪ

黒鉱出生の地

黒鉱が今まさに作られている場所は、まったくの偶然に見つかりました。
「黒鉱はほかの鉱床とできかたが異なり、海底の火山活動にともなって地層と一緒にできる(黒鉱同生説)」と、林 宗一と堀越 叡によって海底での存在を予測されていましたが、まだ確認されていませんでした。
ちょうど黒鉱同生説が発表された1960年代、プレートテクトニクス理論が新たに提唱され、プレートは海底の火山活動によってできると考えられました。その火山活動を確かめるために、1977年より大規模な海底調査が行われます。
そして1979年、プレートテクトニクス理論を立証するために東大西洋の海底を徴していた一隊は、400℃の煮えたぎる黒い熱水を噴き出す海底温泉を偶然にも発見します。そこはまさに、黒鉱が作られている場所でした。名前のとおり煙突状のチムニー(煙突の意味)から吹き出す熱水は、重金属硫化物を含んでいるために黒く、ブラックスモーカー(黒い煙)と呼ばれるようになりました。珪鉱を含んでいると熱水は白くなり、ホワイトスモーカー(白い煙)と呼ばれます。
このことよにより、北鹿の黒鉱も昔の海底熱水活動の証拠として世界の研究者の注目を集めるようになりました。

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岩石と鉱物の違い