「白頭山は10世紀に過去2000年間では世界最大級の噴火をおこし、それによって、中国東北部から朝鮮半島(韓半島)にかけて当時栄えていた渤海王国が滅亡した」 1992年、東京都立大学の町田洋教授は、このような仮説をたてました。しかし、その仮説が正しいかどうかははっきりとせず、噴火の詳細もあまり明らかではありませんでした。
そのため、東北大学と中国の長春にある吉林大学とのメンバーを中心とする日中共同研究チームをつくり、1999年よりこの研究を開始しました。しかし、研究を進めていくと、白頭山の火山学的な背景や山全体のでき方など、基本的なことさえあまり理解されていないことに気がつき、さらに、調査の期間中に白頭山で地震や地殻変動などの活動の活発化がみられ、噴火の可能性が心配されています。このことから、研究の対象は大きく変わりました。
現在の研究の目的は大きく分けて、次の3項目です。