私たちの足の下にあって、いつもはあまり気にしたことのない「土」。土はさまざまな植物や動物が生きている場所で、私たち人間の活動と食料を生みだす場でもあります。土は、地球という大きな体の表面をうすくおおう"ひふ"のようなものです。使い方を誤るとひっかき傷をおわせてしまいますが、うまく使えば自然の恵みをうけることができます。
この企画展では、環境条件、植物生育、生物活動との関係、宇宙からの観察を通じて、多様な土のなかからおもに東北地方にある土の様子をご紹介します。土は材料が同じでも環境条件によって異なる性質を示します。作物生産と施肥、そこに住む生物の活動と土の関係にも興味深いものがたくさんあります。
私たちの食と環境に深くかかわる土。豊かな土の環境を持続的に構築、維持するにはどのようにしたらよいか、土の特徴を見ながら考えていただければ幸いです。
東北大学大学院農学研究科
教授 南條正巳