自動車の過去・未来館

公開施設、記念碑等

自動車の過去・未来館

 自動車の過去・未来館は、貴重な資料を本学の学生・教職員のみならず、次代を担う小・中・高校生や市民の皆様にご覧いただくため、東北大学創立100周年記念の一環として 2008年(平成20年)11月1日に開館しました。
 展示されている米国フォード自動車製T型(1926年製)およびA型(1931年製)クラシックカーは、株式会社オプトエレクトロニクス代表取締役社長 俵 政美様より、また、 トヨタ自動車製F1レーシング用エンジンは、本学100周年を記念してトヨタ自動車株式会社より東北大学大学院工学研究科に寄贈されました。

T型フォード

 フォードの革新は、最新技術の粋を集めた画期的な「基本的な輸送手段」T型車の開発とその大量生産体制を打ち立てたことである。T型車が販売された当時のアメリカでは、 富裕層を中心に自家用車が広く普及していたが、それらはヨーロッパの高級車に比べれば比較的安価ではあるものの、性能や乗り心地は激しく劣り、すでに自動車を所有する顧客の 関心は外国製の高級車へ向きつつあった。そのような折、フォード・モーターの創設者であるヘンリー・フォードは、価格を抑えつつも実用性と信頼性を追求した新型の車であれば 大量販売を見込めると踏み、1908年に製造されたのがこのT型フォードである。
 T型の最初の販売価格は850ドル、当時の国民の平均年収が600〜850ドルであることを考えるとさほど安価とは言えないが、それまでの自動車の平均価格が2000ドル 程度であったことに比べれば、破格の値段であった。また、T型車は当時の新素材であるバナジウム鋼をフレームからギア、クランクシャフトやスプリングなど鉄鋼部品の50%以上 に使用したハイテク製品であることを謳い、販売された。同時に、四個のシリンダーを一体鋳造した20馬力の強力な四気筒エンジン、遊星歯車式トランスミッションやマグネトー (高圧磁石発電機)など、最新装備を取り入れ、軽量ながら頑丈で製造しやすい車だった。設計は簡素化され、農機具を修理できる人であれば容易に修理できた。スタイルや細かな 仕上げよりも当時のアメリカ国内での悪路での信頼性を最重視した実用本意の車であり、車体の重さの割りにエンジン馬力が極めて大きというアメリカ車の特徴となる性格を備えて いた。

【解説文】
T型フォード 1926年製
 T型は、1908年~1927年の約20年間に約1500万台生産された現代の大衆自動車の原点といえるものです。
 運転方法は、現在のものと異なり、アクセルは現在の車のウィンカースイッチに相当する部分にあります。
 エンジンと運転席の間に、ガソリンタンクがあります。ガソリンは、タンクから重力によって流れてくるだけです。したがって、ガソリン残量が少ないとき、急な坂道では、 ガソリンがエンジン方向に流れません。そこで、急な上り坂では、バック(後退)で走行していたそうです。
 エンジンの排気量は、2900cc、出力は20馬力です。現在の同程度の排気量のものに比べると1桁以上非力ではありますが、その基本機構は現在のものとあまりかわりません。
 現在も自走可能な状態で展示しております。

A型フォード

【解説文】
A型フォード 1931年製
 A型は、T型の後継車で、1927年~1931年の間約500万台生産され、傑作車との名声が高いものです。
 運転方法は、現在のマニュアル変速式の車とほとんどかわりありません。T型との大きな違いは、床中央から生えた変速レバー(前進3段、後進1段)と、足元にある 3つのペダル(アクセル、ブレーキ、クラッチ)で、運転方法は、現在のマニュアル変速式の車と同様の使用です。ただし、T型の運転に慣れた人も多かったため、アクセルペダルは ハンドル右側のレバーに連動しています。館内奥には、A型の整備初が展示されています。
 現在も、自走可能な状態で展示しております。

関連情報

東北大学
自動車の過去・未来館
https://www.mech.tohoku.ac.jp/car/ 

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