トロポノイド化学顕彰之碑

公開施設、記念碑等

トロポノイド化学顕彰之碑

トロポノイド化学とは、野副鐡男(1902-1996)によって台湾で発見されたヒノキチオールが、不飽和7員環状の非ベンゼン系芳香族化合物であることを世界で初めて認定したものから発展した、非ベンゼン系芳香族化合物に関する有機化学的、物理化学的、生化学的研究分野です。野副鐡男は、これらの業績により、56歳の若さで文化勲章を受章しています。この碑は、平成11(1999)年10月に野副鐡男先生追悼事業会により、建てられたものです。

以下碑文より
東北帝国大学理学部出身の野副鐡男博士(1902-1996)は、臺北帝国大学に在任中、タイワンヒノキの精油から新化合物を発見し「ヒノキチオール」と命名した。戦後の臺湾大学、つづいて帰国後の東北大学において精力的に研究を進め、それまでに類を見ない不飽和七員環構造を持った4・イソプロピルトロポロンであることを確定するとともに、トロポノイド化合物の合成、構造、反応に関する広範な研究を共同研究者とともに行った。この一連の研究は、非ベンゼン系芳香族化合物に関する化学の新しい分野を生みだし、その業績は20世紀後半に高い評価を受けた。
 ここに、野副博士を中心に、多くの研究者の努力によって結実したトロポノイド化学に関する研究業績を検証するため、この日を建立する。
 平成11年10月
 野副鐡男先生追悼事業会