ハーバード大学博物館を訪問 2002年6月 財団法人カメイ社会教育振興財団の国際交流助成活動として、平成14年6月10日から15日にかけて、アメリカ合衆国ハーバード大学自然史博物館などを訪問しました。参加したのは、大学博物館スタッフ3名(柳田俊雄・永広昌之・佐藤慎一)と勉強会グループ4名(阿見孝雄・池田正子・関口怜子・田邊いづみ)の計7名です。 「市民に開かれた大学博物館」のあり方 ハーバード大学では、植物学博物館に勤めるエミリー・ウッドさんなどにお世話していただいて、自然史博物館の教育普及部門や管理部門のディレクターと各々1時間ほどのインタビューを行ないました。お話の内容は多岐にわたり、自然史博物館の概要や運営、大学の中での博物館の位置づけ、スタッフ構成、展示の内容、市民ボランティアの活動、そして自然史博物館が2年前から取り組んでいる教育普及プログラムの内容について詳しい説明をしてもらいました。その後、自然史博物館で行なわれている子供向け教育プログラムを見学しました。「インサイド・スケルトン」というタイトルで、骨に関する講義を子供たちが実際の標本や生き物に触れたり、体を動かしながら楽しそうに学んでいました。 昼食後は、自然史博物館やピーボディー考古学・民族学博物館の展示とミュージアムショップを見てから、比較動物学博物館の収蔵庫を訪問し、脊椎動物部門と無脊椎動物化石部門のアシスタント・キュレーターの方たちから説明を受けながら、収蔵標本の保管状況を見せていただきました。また、市民ボランティアの方から直接に活動の内容を聞くこともでき、普段は目に出来ない大学博物館の裏側も詳しく観察することができました。 教育普及活動の可能性 私たちは、「市民に開かれた大学博物館」をどのように実現するかについて、ここ数年地域住民の方々と勉強会をおこなってきました。そして、このたびは、その方々と一緒にアメリカ合衆国ハーバード大学博物館を訪れ、自然史博物館のスタッフと意見交換ができました。当大学博物館の規模とスタッフの多さには驚きましたが、教育普及活動の内容については大変参考になりました。 これらの活動については、市民ボランテイアの参加も大事ですが、周辺地域の小・中・高校の先生方との連携も必要だと感じました。私たちは、東北大学博物館の建設までの準備期間中に、周辺地域の学校の先生方とどのようにして話し合い、また協力の輪をどのように広げていけるのかが、今後の課題として残りました。
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