アンモナイトはなんの仲間?/みちのくはアンモナイトの宝庫 東北大学総合学術博物館

アンモナイトはなんの仲間?

 アンモナイト類は、絶滅した軟体動物頭足類の1グループで、古生代中ごろのシルル紀にあらわれ、デボン紀以降発展し、中生代の終わりの白亜紀末に絶滅するまで、世界の海洋に栄えました。アンモナイトは、化石として非常に多く目にすることができます。これは当時広い地域に栄えて個体数が多かったことを意味します。それに加えて、アンモナイトは年代によって殻の形に特徴的な違いがみられるため、示準化石(その化石の含まれる地層が堆積した地質時代を特定できる化石)としてデボン紀から白亜紀までの地質年代の決定に用いられます。また、各地質時代のアンモナイトの種類ごとの分布を通じて、当時の大陸と大陸の地理的関係を復元するためにも役立ちます。

 現在生きている軟体動物の中でアンモナイトにもっとも近い仲間は、オウムガイといわれてきました。なるほど、アンモナイトは古生代中ごろのシルル紀にオウムガイから分かれてあらわれています。オウムガイは5億年以上も前の古生代はじめのカンブリア紀にあらわれ、古生代の海に栄えました。最初はまっすぐな角のような細長い円錐形でしたが(直角貝)、デボン紀ころから渦巻き状に巻いたものがあらわれ、アンモナイトも渦巻き状に進化してきました。オウムガイは古生代末に急速におとろえましたが、「生きた化石」として現在でもわずかに生き延びています。一方、多くの種類を増やし大繁栄したアンモナイトは、白亜紀末に絶滅し、化石でのみ姿を知られるようになってしまいました。

 アンモナイトは、イカやタコとも似ています。似ているところは2点あります。
 1) 小型で球状の初期室をもつ (オウムガイはもたない)
 2) 7本の小さい歯からなる歯舌(*)をもつ。(オウムガイは9本)

 オウムガイと姿の似ているアンモナイトですが、最近の研究では、以上の理由から、アンモナイトはむしろイカやタコのような鞘形類とより近縁だといわれてきています。

*歯舌(しぜつ): 軟体動物の多くが口の中に持つ硬い舌のような器官。ヒトの歯にあたる器官で、やすり状に食物を削り取って食べる。