博物館設置の目的
東北大学は、開学以来100年以上の歴史の中で、研究に用いられ、あるいは教育のために収集された資料標本は総数200万点に達している。これらは、自然史、人類の文化史、科学技術史等の分野全般にわたり、その中には、わが国はもとより、世界をリードする研究を支えてきた重要な資料標本が数多く含まれている。
収蔵物には、考古学分野で収集した埴輪等の重要文化財、河口慧海氏の仏像等のチベット造形コレクション、国際的に保管が義務付けられている植物学、古生物学分野のタイプ標本、アジア地域の地形図、日本人のルーツを辿る人類骨格標本、本学で発明あるいは開発されたKS鋼、八木・宇田アンテナ、PINダイオード等の機器類等があり、これらは本学が誇る代表的資料標本で、貴重な知的財産である。
総合学術博物館は、これらの資料標本類を保管管理し、今後の教育研究の促進に資すると共に、公開展示によって研究の成果を社会に還元することを目的として設置された。総合学術博物館の主な活動項目は以下の通りである。
- 資料標本の収集、保管、管理、分類、分析に関する基礎的研究
- 資料標本の保全、復元、修復、劣化防止に関する基礎的研究
- 資料標本のデータベースの構築、ネットワークシステムの整備、並びにこれらに基づく情報交換の促進
- 学内外の教育研究のための資料標本情報の提供と支援
- 博物館学関連の講義・実習への参画
- 常設展示、特別・企画展示による資料標本の一般公開、並びに定期的講演会、ニュースレター刊行による普及活動
- 既存博物館の学芸員並びに小中高校教員へのリフレッシュ教育
- 博物館の教育研究のためのボランテア活動の推進