展示計画:展示予定の資料標本
科学技術史資料
東北大学は、金属学・金属工学を中心とする材料科学分野において、世界をリードする研究を行ってきました。その研究にまつわる資料が保管されています。また、電気・通信工学分野も、東北大学の誇る研究分野です。例えば、八木-宇田アンテナやマグネトロンは世界に知られた創造品であり、また、仙台はメタルテープ発祥の地でもあります。
古地図
東北大学では、1910~30年代に旧日本陸軍参謀本部が密かに作成した当時の 戦略上重要な地域の地図(外邦図)を所蔵しています。北はロシア、南はニューギニア、東はハワイ、西はパキスタンにおよぶ広い地域をカバーしていて、全部で10万枚におよびます。この他近世に作られた貴重な古地図も所蔵しています。
河口慧海コレクション
仙台市博物館における企画展で、初めてその全貌をお見せした河口慧海コレクションは、東北大学の所蔵する特筆すべき資料類のひとつです。東洋日本美術史分野の研究と結びついた学術資料であり、またチベット仏教の美術品としての価値も合わせもっています。
金属学資料
2003年6月に、社団法人金属博物館の所蔵資料標本が一括して東北大学に寄贈され、総合学術博物館がそれを保管管理することになりました。金属学や金属工学の研究、または人と金属のかかわりにまつわる多様な資料で、全部で5000点におよびます。
考古学資料
遺跡から発掘される考古学資料は人類の歴史や営みを知る上で欠かすことのできないものです。東北大学では東北地方を中心とした日本の先史および古代文化・社会の研究が従来からすすめられてきており、それにともなって土器や石器など数多くの出土品を保管しています。時代様式の基準となる資料や重要文化財に指定されているものがあります。
人類学資料
人類はどこからきてどこへいくのか。この問いは人類学者ならずとも誰しもが謎に思うことです。東北大学には縄文人骨などの標本があり、いま、日本人のルーツやネアンデルタール人の進化についての研究が進行中です。人の各部位の液浸標本や切片標本などの医学標本もあります。
古生物標本
化石は古生物が存在した唯一絶対の証拠です。古生物がどんな生き物なのか、いつ現れいつ滅んだか、またなぜ滅んだか、研究者は化石ひとつに夢をのせ謎を解き明かそうとします。東北大学の古生物分野の研究は歴史的にも世界有数であり、研究にまつわる化石標本が大量に保管されています。化石種を同定する時の基準となる標本(タイプ標本)もたくさん含まれています。
岩石・鉱物標本
岩石や鉱物は大地を構成する物質単位です。地球ないしは宇宙の構造や歴史を解き明かすヒントを潜めているもので、一個の標本がときに壮大なストーリーを語ります。東北大学には分類の際の基準となるような世界各地の岩石や鉱物標本が多数保管されています。
動物標本
現生生物の標本は、生物の多様性と生態系をみるうえで重要です。東北大学が所蔵している動物標本としては、日本近海及び熱帯太平洋のサンゴ標本や北太平洋の貝類標本、青森県浅虫臨海実験所の海産動物標本があげられます。
植物標本
東北大学の植物園(東北大学理学研究科附属植物園)には、国の天然記念物指定をうけている青葉山の森の他に、日本有数の規模を誇る標本収蔵庫があり、さく葉(押し葉)標本や材のプレパラート等が保管されています。
薬学標本
日本でも有数の規模を誇る日本産冬虫夏草標本や、医薬品のルーツとなった薬用植物の朔葉標本があります。