永広昌之は東北大学地質学古生物学教室を1971年に卒業し、北上山地を中心とする東アジアの古生代~中生代テクトニクスの研究を行ってきましたが、1980年代、坂東祐司とともに北上山地のペルム紀-三畳紀層産アンモナイトの研究をはじめました。その後、古生代~三畳紀のアンモナイト・オウムガイの研究を共同研究者たちとともに進めてきています。とくにペルム紀アンモナイト・オウムガイを多数記載し、北上山地のペルム紀層の対比を行いました。1992年に岩手県東山町(現一関市)に分布する鳶ヶ森層から報告したクリメニア類は、わが国唯一のデボン紀アンモナイトです。また、アンモナイトを用いた古生物地理に関する研究も進め、それにもとづいたペルム紀~三畳紀の東アジアの大陸配置、とくに南部北上古陸の位置の復元に取り組んでいます。
北上山地以外では、阿武隈山地東縁の八茎地域のペルム紀アンモナイト、モンゴルの前期三畳紀アンモナイト、中国の中期~後期ペルム紀アンモナイトの研究を行っています。