東北大学総合学術博物館のすべて Ⅷ 「中国・朝鮮国境の大活火山 白頭山の謎」

伝説の白頭山

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朝鮮族の伝説

朝鮮族発祥の地としての白頭山伝説では、朝鮮族の祖とされる檀君(タングン)は、天から遣(つか)わされた桓雄(ファヌン)の子として、白頭山で生まれたとされています。檀君はやがて王国を建てたとされ、韓国・朝鮮ともに教育にとりいれられています。韓国では、檀君が即位したとされる紀元前2333年を元年とする檀君紀元(檀紀)を定め、1961年まで公的に使用されていました。

満族の伝説

満族発祥の地としての白頭山満族にとって、白頭山は民族の発祥と深く関わる聖山です。満族(女真族)が建国した金の時代にも、神々が宿る聖山としてシャーマニズムの祭祀(さいし)が執り行われていたといわれています。伝説では、白頭山の池に水浴びをしていた天女が身ごもり、満族の始祖となる布庫里雍順を産みます。その子孫はやがて清の初代皇帝、ヌルハチへと続いていきます。白頭山に一般の人々が入ることは禁止され、清の皇帝である康煕帝、乾隆帝、嘉慶帝などは、祭礼を執り行うために、祖先発祥の地である白頭山へ足を運んでいます。