平成14年体験活動
「古墳を測ってみよう-郷土の考古学資料を通してみる古代の歴史-」
平成14年度子どもゆめ基金(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)助成を受けて、8月24日(土)と25日(日)の2日間にわたり、「古墳を測ってみよう-郷土の考古学資料を通してみる古代の歴史-」の体験活動を実施しました。
当日は天候にも恵まれ、県内の高校生から小学生まで23名が参加して、2日間の古墳時代への旅を満喫しました。
活動のねらいは、教科書で学んだ古墳を実際に観察し、郷土に残された史跡を自分たちの手で調査し知ってもらおうとするものです。
今回は、4世紀後半に造られたとされる宮城県名取市飯野坂古墳群に出かけ、その一つである宮山古墳を専門家と同じ機器類を用いて測量することに挑戦し、古墳の大きさや形、古墳の立地条件などについて、測量からどんなことがわかるかを実感していただきました。
宮山古墳の測量に挑戦し新たな発見
第1日目は、午前中に理学部自然史標本館において、開催主旨の説明、「古墳時代とは」・「古墳の形や大きさから何がわかるか」などについての講演を受けた後、マイクロバスで飯野坂古墳群に出かけました。
現地では、最初に宮山古墳の「かたち」を知るために、古墳の境界を観察しながらロープで輪郭を把握し、その「かたち」をノートに描きました。子ども達のノートには前方後方墳の図がしっかりとスケッチされていました。
第2日目は、4~5名の班に分かれて、班ごとに宮山古墳の主軸の長さを測り、ハンド・レベルを使用して高さを計測し、古墳の断面形態を正確に測量しました。さらに、平板を用いた本格的な古墳の測量にも挑戦し、古墳の形態を見事に描き出しました。
最後に、班ごとの測量結果を持ち寄り、宮山古墳の「大きさ」を推定してみましたが、なんとその大きさは全国の前方後方墳ランキングの上位に位置づけられることがわかりました。
墳丘の測量や図化は、古墳研究の第一歩となる基礎作業です。自らの体験によって新しい発見ができたことは素晴らしいことでした。子どもたちには、2日間の体験活動を通して、貴重な古墳が地元に存在することを実感してもらえたのではないでしようか。