平成20年体験活動
「地層のもようは芸術品」
平成20年度子どもゆめ基金助成活動と して、7月31日(木)~8月1日(金)の2日間にわたり、「地層のもようは芸術品」を開催しました。
本活動では、海岸や干潟、地層中に見られる堆積構造を観察して、これらの特徴の理解を試みました。その上で、そこからどのような情報を引き出すことができるのかについて考え、自然が作り出す造形美の不思議さを体験しました。
今年の夏は天候不順でしたが、当日は、前日までの小雨も一休みして昼前から夏の日差しが戻り、日焼けするほどの好天となりました。おもに仙台市内の小・中学生28名の参加を得て、夏休みの企画を楽しみました。
蒲生干潟にてさまざまな堆積構造を観察
第1日目は仙台市の蒲生干潟に出かけ、干潟や海岸で現世の堆積物の内部構造を観察しました。
干潟や海岸の砂浜では波や潮汐流によって作り出されるさまざまな堆積構造を観察することができます。干潟では、意外と速い流れとなる潮汐流によって作られる、いろいろな形式のリップル構造を観察することができ、これらのリップルから流れの向きを推定することができることを学びました。
海岸の砂浜では挟在する砂鉄の層によって浮かびあがる平行葉理を観察し、これを剥ぎ取って実験室に持ち帰ってきました。
また、砂浜にはたくさんのスナガニの巣穴も見られ、これらに石膏を流し込んで巣穴の型取りにも挑戦しました。最長では80cmを超える大物を掘り出した参加者もいて、驚嘆しました。
第2日目は、室内の水路実験装置を用いて、野外で観察した堆積構造がどのように水の営力によって作り出されるのかを体験しました。
リップルが形成され、流れの方向に移動する様子を皆、真剣な眼差しで観察していました。
2日間の活動をつうじて、日常生活では気にもかけない自然の営みの不思議さを満喫できたように思います。